人生の最期をどこで迎えたい?厚労省のデータから見える日本人の本音。
人は亡くなる時にどこで最期を迎えたいと思うものだろうか、と考えたことはありませんか?実は多くの人は望んだ場所で最期を迎えることができていません。なぜなら日本は何か体の不調があると病院にかかるのが当たり前という風潮があるからです。私は幸か不幸か終末期の人間を見る機会に恵まれていました。そうした中で現状の医療と日本人の本音が乖離していることに気付いたのです。この記事では厚労省のデータをもとに終末期の人間の心理と現状の医療体制の相違や今後日本はどういう道をたどりうるかを教えます。この記事を読むと、人の「死」について熟考し終活をより身近に感じられるようになります。結論は日本人のほとんどは「自宅」で最期を迎えたいと思っているが、多くは「病院」で亡くなっている。なるべく多くの時間を住み慣れた自宅で家族に囲まれて過ごすため自分にできることをして、「終活」を進めていこう、ということです。
どこで最期を迎えたいか
まずは多くの日本人がどこで最期を迎えたいと考えているか、厚労省にデータを見てみましょう。
傾向として一般人のみならず医療関係者であっても「自宅」で最期を迎えたいと願う人が半数近くいるということです。自宅で最期を迎えることを選択した理由について、「住み慣れた場所で最期を迎えたいから」、「最期まで自分らしく好きなように過ごしたいから」、「家族等との時間を多くしたいから」との回答が多かったです。
また、自宅以外で最期を迎えることを選択した理由について、一般国民、医療・介護従事者のいずれにおいても「介護してくれる家族等に負担がかかるから」との回答が最も多かったです。こういったデータを見ると「終活」をすることの大切さを改めて感じることができますね。
次に終末期に入る前の医療・ケアを受けたい場所について、一般国民では「医療機関」と回答した者が最も多く、54.8%でした。一方で、医療・介護従事者では「自宅」と回答した者が最も多く、医師 49.2%、看護師 48.0%、介護支援専門員 59.8%でした。上記の「最期を迎えたい場所」と理由は同じでした。これはあくまで私の推測ですが、医療関係者は多くの終末期医療を受けてきた患者を診てきており、また今後自分がどのように死んでいくのか、幸か不幸か推測できてしまうため、このような結果になっているのではないかと思います。
実際に最期を過ごしている場所
しかしどうでしょう。実際に最期を過ごしている場所を調べてみると、「病院」が74.6%と圧倒的に多いことがわかります。それに次いで「自宅」が12.7%でした。つまり、自分の望んだ場所で最期を迎えられていない人が多くいる、これが今の日本の現実ですが、もはや高齢社会は日本のメガトレンドです。
まとめ:最期の時間の過ごし方を考える
こうしたデータをご覧になって、いかがでしょうか。社会人になってから40年ほど必死に働いて、子育てもして、最期を自分の望む形で迎えられない。そんな人が多くいます。
人の価値観は年月とともに大きく変化します。その中で後悔のない人生を送るために何ができるかを考えたとき、その一つが「終活」だと思います。自分の人生を振り返り、次世代へとつないでいく。そして家族・親族に惜しまれながら最期を迎える。これも一つの幸せではないでしょうか。
これからもともに「終活」について学び、考えていきましょう。